はじめに
技術書典7で弊サークル【い03C】に来ていただいたお客さんからこんなことを言われました。
「電子版、EPUBは無いですか?」
以下のようにツイートもしましたが、
たしかにPDFをスマホで見るのはツライですし、
PCでもkindleで読みたい!という要望はあると思います。
そういえば【い03C】に来てくれたお客さんで、「電子版はEPUBの方が便利」と言っている人がいた。
— FORTE@aozorafm (@FORTEgp05) September 24, 2019
RE:VIEWだとついそのままPDFにしがちだけど、ひと手間でEPUBにできるのでちょっとやってみようかなと思う。
たしかその人は拡大時の文字サイズやスクロールのことを言っていた気がする。
#技術書典
というわけでRe:VIEWでEPUBを出力し、
それをmobi(kindleで読めるファイル)に変換してみたので手順をご紹介します。
手順
Re:VIEWでEPUBを出力する
前提としてMacで、GitHub - vvakame/docker-review: Re:VIEW build container by dockerを使用している前提で解説します。
といってもdocker部分を除いて「review-epubmaker」コマンドをそのまま叩けば大丈夫な気はします(未確認)
手順としてはいつもPDFを出力しているコマンドのうち、
「review-pdfmaker」を「review-epubmaker」に変えるだけです。
PDFを作成するコマンドからEPUBを作成するコマンドに変えるだけ、というわけですね。
実際に私が実行しているコマンドは以下の通りです。
docker run --rm -v pwd
:/work vvakame/review /bin/sh -c "cd /work && review-pdfmaker config.yml"
docker run --rm -v pwd
:/work vvakame/review /bin/sh -c "cd /work && review-epubmaker config.yml"
これだけでPDFの代わりにEPUBが出力されます。
正しく出力できていればMac標準アプリのブックで開けるはずです。
AirDropやGoogle時ドライブなどでiPhoneに送れば同じくブックアプリで確認できます。
具体的には以下のツイートのようになります。
re:viewでEPUB出力できた!簡単!
— FORTE@aozorafm (@FORTEgp05) September 28, 2019
画像はiPhoneのブックアプリで、PDF(1枚目)とEPUB(2枚目)を表示したもの。
こりゃあ、見やすさがダンチだね…。
ただし、表紙が出てないのと、kindleではEPUBは読めないらしい。
表紙は設定見直し、EPUBはAmazon公式アプリでの変換を試してみる。#技術書典 #技書博 pic.twitter.com/mjZBjgxXXH
私は設定変更なしで出力できましたが、
もしかしたら何か設定変更が必要かもしれません。
そういえば画像サイズに対する警告は出ていましたので、対応してもよいかもです。
私がみたところ出力はされていたのでそのままにしましたが…。
また私が見落としている設定がある可能性はあります。
もしあったとしてもご容赦のほどを…。
やっぱり見落としポイントありました!
やはり改ページなどを行っているとダメな場合があるそうです…。
そういえば、製本版もコード部分の改行位置がずれて右に突き抜けてるところがいくつかありましたが、これを手作業で強制的に改行を入れる形で体裁を整え始めると、EPUBにしたときに改行位置がずれるのでなかなか大変な作業になります…(改ページを入れるときも同じ問題ががが)。
— hmatsu47(まつ) (@hmatsu47) September 30, 2019
そしてRe:VIEWチョットワカル人ことkmutoさんからもリプが!
raw,embedは覚悟の上で使っていただくものなので…。ただ、rawもembedもビルダ指定(@<embed>{|latex|〜}など)できるので、そうしておけばTeX固有の命令がEPUB側を阻害するということはありません。CSS組版だとどちらもHTMLなのでつらいですが。
— kmuto (@kmuto) September 30, 2019
作業プロジェクトにdoc/customize_epub.ja.mdというドキュメントがあるはずなので、Kindleについてはそちらをお読みいただければと思います
— kmuto (@kmuto) September 30, 2019
EPUBをmobiに変換する
Amazon公式でEPUBからmobiに変換もできるViewerがリリースされています。
こちらで変換します。
Mac版をDLしたら画面の指示どおりにインストールするのみです。
インストールして起動したら先ほど出力したEPUBを開きます。
こんな感じでプレビューが表示されるので、
上部メニューの「ファイル」->「エクスポート」で出力します。
忘れずに形式をmobiを変更しましょう。
あとは同じ場所にmobiが出力されます。
BOOTHなどで配布する
あとはBOOTHなどで配布するだけです。
BOOTHで販売する場合はそれぞれのファイルを圧縮せずに登録しましょう。
スマホユーザーは大助かりです。
しかしBOOTHでDLカード版の場合は認証が必要になりますので、
Zipで固めてパスワード要という運用は変えられません。
しかしBOOTHでは有料で販売ページそのものに認証をかけられるそうです。
これを使えばDLカードに販売ページをアクセスするためのパスワードを書いて、
ファイルそのものはそのまま配置できます。
これならかなりユーザビリティが上がります。
ただ月額540円(明日から550円になるかも?)なので、
イベントの時しか本が売れない場合はちとキツイです。
そのため、私は期間限定でブースで販売し、
期間が過ぎた後はTwitterのDMでパスワードを送ってもらったらファイルを案内するようにしようかと思っています。
(実際に数ヶ月後に落とす人は稀なので運用回避でいけるはず…)
おわりに
技術書点7で気になったネタの回収記事でした。
実際にスマホでPDFとEPUBまたはmobiを見比べてみると見やすさは一目瞭然です。
簡単に対応できたし、これはもっと早く対応すべきだったと思いました。
読者側の視点に立ててないのはまだまだですね…。
最後に今回のご紹介した方法でEPUB、mobiがDLできる本のご紹介です(ダイマ)
話題の電子版はBOOTHで。
物理本はとらのあなで。
物理本を買っても電子版が付いてくるので、
本もついてきてEPUB、mobiも試せますよ!
お得!