青空な日々

ITエンジニア関連で興味あることをアウトプットして共有したいブログ

#RSGT2019 1日目の感想

はじめに

2018/01/09(水)にRSGT2109の1日目に初参加してきました!
ひっじょうに楽しかったので、
メモした内容と自分が感じた感想をアウトプットしたいと思います。

RSGTについてはこちら。
2019.scrumgatheringtokyo.org


目次


全体的な気づき

全体通して特にこれがよかったなぁと思ったことを先にまとめました。
セッション数が多いので、全部みていくのも(自分が見返すのも)ツライと思ったので…。

セッションの資料や詳細がみたい方はそれぞれみていただければと思います。

本質を考え続けること

Keynote後半の事例より。

とある外国の学校で廊下が狭いから授業終了後に混雑して問題が起こっていた。
廊下を広くする改装をしたいが建物の建て替えコストがかさんでしまう…。
どうしたら安くできるか…という話。
これの実際の対応としては、教室の退出時間をそれぞれズラすことで混雑を解決した。
問題の本質は廊下が混雑することであり廊下を広くすることではない、ということかなと。

個人的にKeynoteを聞いて感じたのは、
様々なプラクティスを用いて問題の本質を考え続けること、 求められる本質的な成果(Outcome)が大事なのかなと感じました。

うまくいったらどうなるの?

きょんさんの「超Scrum入門〜未完成フラクタルと15minSprint〜」の中で出てきた言葉。

我々ITエンジニアはカイゼンという言葉が大好きだったりしますが、
そこから「うまくいったらどうなるの?」ということがごっそり抜け落ちるケースがあります。
つまり意外と手段が目的になってしまうケースがあるので、気をつけないといけないなと思いました。

馬鹿でかい理想像があるからモチベが続く

同じくきょんさんのセッションから。

客観的に見て継続するのが難しい事柄についてどうやれば継続できるのか?という質問に対して、
自分が掲げる理想が途方も無いので追いかけていけるという話。

人によるかもしれないですが私は非常に共感しました。
私も自分の理想は常々意識してモチベにしていきたいなと感じました。

すぐチームに全部を適用しようとしない。

これは特定のセッションに限らず全体的な話ですが。

RSGT当日ということもあり、現場に何かを持って帰って導入したい気に強くなっていますが、
チームの状況や環境はそれぞれ違うので聞いたことをそのままチームに全部やれってのも違うと思います。
RSGTに参加したのは自分だけなのでその温度感の差は気をつけたいと思いました。

ただし、得たものを伝えるのは大いにやるべきだと思います!
メッチャ良いものが持ち帰れてると思うので、
伝えることはきっちりやりたいと思います。

そのうえでどうするかはチームで考えればいいのかなと。

感想

参加したセッションで気になったことと、
そのセッションの感想を書いていきます。
詳細にセッションの内容を説明しているわけではないので悪しからず…。

Welcome Note

RSGT自体は2011からやっている。
今年の会場である大崎ブライトコアホールのキャパが最大なので、
これ以上は人が増やせないそうで。
来年はお茶の水でやるそうです。

プロポーザルは今年が最大で、90人いたそうです。

OpenJAMという、会場の隅にあるPCでゲリラ的にセッションができる仕組みが非常に良いと思いました。
またCoaches Clinicという会場にきている経験豊富な方と、
1on1で相談ができる仕組みがありました。
仕事で頼むと良いお値段の人もいるので非常にお得ということで…。
自分は依頼しなかったのですが、依頼した人の気づきとかが知れたらいいなぁと思いました。

その他、ゴールド、シルバースポンサーはブースがあったり、
感想を付箋で貼るスペースがあったり、転職者の応募/募集するスペースがあったのが印象的でした。

Keynote Gabrielle Benefieldさん

同時通訳でセッションを聞いたのが初めてだったからか、
いまいち何が目的の話だかがわかりづらいと感じました。
英語の勉強をしなきゃ…。

Outcome(成果)を出すための方法としてのMobius(メビウス)ループの話(だったと思う)
「どうやって作るか?」に思考が行きがちだけど、
ちゃんと「なぜ作るのか?」ということを意識することが大事なんだと改めて実感。

正直、振り返ってみるとちゃんと理解できてない感じなので、ちゃんと復習しよう…。

メビウスループについては以下のサイトに説明があります。

Open Practice Library


ちなみにお話の中で印象に残った図。

the agile landscape v3

この東京の路線図のようなものの駅がアジャイルのプラクティスらしい…。
たしかにたくさんある。


Yusuke Amano / Toshiyuki Ohtomo - チームワークの会社で最高のプロダクトを目指すチームができるまで -強くてスケールするチームの作り方-

資料

サイボウズスクラム導入後に外部のスクラムマスターに参画してもらって、
そこから見えてきた課題をどう解決たしか?という話。

課題の中にいくつか自己流スクラムを改善していた話しがありましたが、
個人的にスゴイと思ったのはスクラムのプロセス以外の話。

リモートで絵をほぼ用いなくても会話に齟齬が発生しなくなっていること。
リモートじゃなくても絵がないと伝わらない!ってやっているのにこれはスゴイ。
作りや仕様についてモブプロなどを通して相互理解を深めていった効果ということらしい。

定期的にチームメンバーをシャッフルする。
Unlearn的な感じっぽい。
定期的なシャッフルで前のチームでは「どうやってた?」みたいな話が始まる。
続けることで誰がメンバーでもできるような画一された手法が定着されていった。
御本人も言っていましたがよくチームメンバーが付いてきたなぁと思うw

そして最終的にチームが自立すると、スクラムマスターはやることがなくなる。
例えばプランニング中にエアコンを調整するくらいしかやることがないw
だから別チームに行って新たな活動をされているということ。

それがスクラムじゃなくても良いんだけど、
こういう状態にチームがなれたらチームも自分もすごく楽しいだろうなぁと思う。

外部のフィードバックで見直しができたという話だけど、
自分もチームも素直にそれを受け入れているのがスゴイ。
見習いたい。


Yoshihiro Yunomae - 運用中のモバイルゲーム開発チームに、並行バージョン開発を導入してみた


ゲーム開発にスクラムを適用している例や、
人数だけ追加して上手くいっていない状態からのスクラム適用や、
コミュニケーションの円滑化のためにチーム分割したりと、
そういった事例が聞けて大変有意義でした。

なおセッション後に、2チーム間でメンバーをシャッフルしていたりしたか?とお聞きしたところ、
コストがかかるのでシャッフルしていない、とのこと。
これは一つ前のセッションでそういった話があったので聞いてみた話でした。

Takahiro Futagawa - スクラムチームを辞めて20人でカンバン運用してきた半年間の軌跡

資料。


カンバンを何度も作り直して自分たちに合うものに仕上げて来た話。

カンバンの下書きをホワイトボードでやっていたこと。
いきなり作らないの良いと思いました。
一度作るともったいなくて、なんとかして使い続けようとしがちなので…。

リードタイムの計測。
看板を流れるタスク(付箋)が各工程を抜けた時間を計測し、
実情把握と改善に役立てているということ。
可視化されると問題(ボトルネック)も見えてくるのですごく良さそう。

そして、最後のリアルカンバンを画像に撮ってImageMagicなどで差分を取るという話。
これで前日とのDiffが取れる。
うーん、実現したらスゴイ話だw

Tsutomu Yasui - 心理的安全性ゲーム

心理的安全性ゲームをグループで体験するセッションでした。
この心理的安全性ゲームは状況を示したカードと、
発言を示したカードを使ってチーム内の会話を再現する4〜5人向けのゲームです。
(人数は少なくても多くてもプレイ可能)

ゲームの詳細はこちら。

games.yattom.jp


このゲームは例えば「ミスしてしまった!」という状況カードを引いた人に対して、
他の人が「気にしないで」とか「はぁ…(ため息のみ)」とか「自分には関係ない」とか、
そういった発言が書かれた発言カードを出していくゲームです。
これによって心理的安全性がある/ない状態を体験できます。

2回ゲームをやったのですが、2回目はロール(役割)としてお客と上司を設定しました。
つまりいままではチーム内の会話だったのものが、
チーム外の人間もいる状態になったのです。

一通り発言し終わったあと「学びがあったか?」「不安解消されたか?」のような項目で振り返りをするのですが、
お客と上司がいることでこの振り返りがほとんど出なくなってしまいました。
1回目はかなりの振り返りが出てきたのでこれには驚きました。

それだけ、お客や上司を含めた心理的安全性のあるチームを作るのは難しい、
あるいは我々が難しいと思ってしまっているのかも知れません。

体感系のセッションとして気づきがあり、
またまったく知らない参加者の方とも会話できたので非常に楽しめました!

心理的安全性ゲームを購入したので、今度やってみたいと思います。
会社のチームだと難しいかな…。
(つまり心理的安全性がないw)


kyon_mm - 超Scrum入門〜未完成フラクタルと15minSprint〜

資料。


きょんさんが所属する基盤チームは「超個体」な状態を目指しており、
その状態に行き着くように自分たちに合わせてスクラムを変えて行っている話。

セッションの中でソフトウェアエンジニアリングの文脈以外の言葉が頻出しており、
人間や生物の生き方などからもヒントを得て自分たちの開発を理想に近づけようとしていたのが印象的でした。

たとえばクレブスサイクルクリエイティビティや、
価値を考えるのに軍事学に学んだ話など。

気付きに書いたこと以外で刺さった言葉を書くと、
いまの自分たちにできること、必要なことを必要十分にやれるという話があります。
理想や問題には目が行きますが、自分たちの現状を把握することは忘れがちです(自分も含めて)
常に自分やチームの現状を把握していくことは重要で、
意識して忘れないようにしたいと思いました。

次にうまく行くと楽しいし楽、という話があり、
これは「楽しくうまくできる」まで突き詰めるという文脈でした。
何かを始めるときはツラさや大変さがあり、
始められても続けることが辛くなることがよくあります。
ですが、楽しいことは始めやすい(始めたい)ですし、楽しければ続けたいと思います。
つまり楽になるのです。

楽しく感じるかは自分の主観なので、
楽しくするために自分から工夫していく必要があるのは大いに分かりみが深い話でした。

そして、比較できることの大事さという話では、
シンプルに良いと思うもの、思わないもので比較できるようにするという話がありました。
なんとなく良さそうだからスクラムとかアジャイル的な何かをやりがちですが、
チームそれぞれに理想とする状態があって、何かを始める際により理想に近づける方策を取る必要があると思います。

最後の質疑応答で気になったものをいくつか。

気になったもの1個目、きょんさんがちょいちょい人間をやめたいということをおっしゃっており、
それに対して人間やめたらどうなるの?という質問w

人間をやめるというのは超個体になりたいということ、
つまり超個体になったらどうなるの?という質問。
自我が気にならなくなる世界がそこにある。
例えば属人的な失敗が気にならなくなる、メール送り忘れてたとか。
人間はミスをしてしまうもの、他人のミスについてイラッとして文句を言っても仕方ない。
仕方ないことを言っても仕方ないので…。

超個体になれれば、そう言ったことがなくなるだろうという回答でした。

気になったもの2個目、振り返りはなぜKPTでやっているのか?他のフレームワークは使わない?
振り返りがしやすいから。 そもそもKPT(Keep Problem Try)と言ってるけど、
基盤チームでは頭文字がKPTと付けばなんでも良い。

例えばKだったら今日は眠かったみたいなのでもOK。
思ったことをなんでも書けるようにしている。
それが楽しいし、意味があると思っている。

ちなみにその振り返りは壁に付箋で貼っているが、5,000枚ほどになっている!

気になったもの3個目、5,000枚のKPTの活用で振り返らないのか?
Tryで言えば過去できなかったことはそのときやりたくなかったとか、やれない理由があったから。
それを"今"考えても仕方ない。
出す時はそれが"今"のKPTだから出しているだけ。
後のことは考えていないし、後からも考えない。

気になったもの4個目、チームみんな人間をやめたいのか?
その場に基盤チームが何人かいたのでチームメンバーに聞いてみることに。

人間をやめたい思ってないが、楽しく開発できてるから良い。
人間やめたい人を見ているのは楽しい。

別に全員同じ方向を向く必要はないんだよなぁ。
そこ(チーム)にいる意義が自分なりにあればいいんだろうな。
「人間やめたい人を見ているのは楽しい」は笑えるけどw

おわりに

というわけで、初RSGTでした。
初参加、コミュ障、一人参加ということで、かなりドキドキでしたが、
初めての人、Twitterで繋がっていた人、Twitterでよく見る人、知り合いの人、
ファンだったバンドの人が実はエンジニアで会場で会ったりと、様々な人とお話できました。

今回は「たんに行ってみたい!」という動機で来ていること、
スクラムをやっているわけでも経験があるわけでもないことから、
学びが薄くなるかなぁと思っていましたが、まったくそんなことはありませんでした。

結局みなさんよりよく開発しようとされているだけで、
その方法がたまたまスクラムだったり別の方法だったりしただけのこと。
自分のチームで良いと思うものを選べばいいし、
それをRSGTで持ち帰れればいいなぁと思いました。

あと単純に熱量が高いエンジニアがいるだけで楽しいよね。
2日目以降も楽しみたい!