青空な日々

ITエンジニア関連で興味あることをアウトプットして共有したいブログ

なぜチームや組織を良くしたいのか?

はじめに

僕はITエンジニアとしてチームや組織を良くしていきたいと思っているのですが、
なぜそうしたいのか?というのをブログ(文章)ではきちんと発信していませんでした。

これからチームや組織についてもアウトプットしていきたいので、
自分のためにも改めてアウトプットしておこうと思った記事です。

目次


どうしてチームや組織を良くしたいのか?

それは、システム開発業務の成功において「チームや組織を良くしていくこと」も必要な活動だと思っているからです。
プログラミング言語に代表される開発に必須な技術はもちろん必要ですが、それと同じくらいチームや組織に関する知識、スキルも必要だと思っています。

必要だと思った経緯は次の通りです。

SIerでのシステム開発で抱えた絶望

僕が新卒で入社したSIerでは、元請けとしてお客様の業務用Webシステム開発や保守運用を請け負う部署に配属されました。
国内では指折りの某巨大グループのグループ企業(本体からすると孫会社)だったため、
長年培われてきた開発フローが存在しており、その開発フローに従うことが善、従わないのは悪という風潮でした。

だいたい半年~1年契約で業務用のWebシステムの新規開発や改修を受注していたのですが、
その開発・改修プロジェクトのほとんどが上手くいっていませんでした。
今振り返ってみると以下のようなことが発生していました。

  • 開発したシステムや機能が使われない
  • 当たり前のように繰り返される残業・休日出勤
  • 予算超過・目標未達
  • 外面だけ良くて自分のチームに怒鳴り続けるしかできない他責のリーダー
  • チームのボトルネックになっているリーダー
  • 決まらない仕様と優先順位
  • 再現性のない教育
  • 使い捨ての社員
  • 毎回違うシステムを開発するのに開発ルールを守れば上手くいくという幻想

こういった問題を経験してきて思い知ったのはどんなに綺麗なコードを書いても素晴らしい設計をしても、システム開発業務はそれだけでは上手く行かないという事実でした。
では、何が必要なのか?
社内にこの答えを知っている人や発信している人は誰もいませんでした。

当時のSIerには個人として非常に優秀なマネージャーやリーダーがごく僅かに存在していましたが、
その人がチームや組織から抜けると突然上手く行かなくなってしまう状況でした。
つまり継続的にうまくいくチームや組織を作り、再現性を持ってそれを広められる人はいませんでした。

このように当時のSIerでは「システム開発は上手く行かないもの」「どうせ上手く行かない」「能力や才能がある人のみできる」という風潮であり、
それを見ていた僕は同じように「システム開発は上手く行かないもの」という絶望を抱えていました。

社外のうまくいった事例から知った希望

そんなとき社外から、失敗したプロジェクトが不死鳥のように新生し成功した話を聞きました。
それがFINAL FANTASY XIVだったのです。

キッカケは2012/11/23、11/24に開催されたスクウェアエニックス オープンカンファレンス2012でした。
そこで橋本善久氏の『ゲーム開発プロジェクトマネジメント講座2012』を見てみると、
開発プロジェクトがなぜうまく行かないか、それにどう対処していったかという、
そのとき自分が抱えていた絶望に対する解答をしてくれるかのような内容でした。

プロジェクトがなぜうまく行かないかを考え、チーム(組織)について知り、制度設計し、観察し、改善していく。
こう書くと当たり前のように思えますが、
この当たり前を500人近くいたSIerでは誰も発信できず、実践もできていなかったのです。

さらにその動画の最後に紹介されていた参考書籍に「アジャイルサムライ」があり、
その本の序文に書かれていた著者の以下の言葉に衝撃を受けました。

「もっとうまくソフトウェアを届けるやり方を探し求め、分かちあい、見出していこう
 (でもあんまり深刻に受け止めすぎないで。楽しみながらやっていこう)」

絶望しかなかったソフトウェアを届ける過程において「楽しむ」という概念に触れたのは衝撃であり、救いでした。
同じくソフトウェアを届ける自分も楽しんで良いんだと、なにかから開放されたような気分になりました。
さらにFF14の宣伝放送に登場する開発スタッフ達は、
死ぬほど大変そうだけどメッチャ楽しそうにしていたのです。

絶望の中でただ死にそうになっているだけの自分とは大きな違いでした。

システム開発は上手く行かないもの」と思っていた自分は、
業務用Webシステムとオンラインゲームという違いはあるにしろ、
本質的には同じようなものであるFF14が成功したのであれば、自分もうまくできるかもしれないと希望を持てたのです。

希望がチームや組織をよくしていくことになった理由

自分もうまくできるかもしれないと希望を得た結果、
自分ができることは具体的になにか?を考えると新しい観点であるアジャイルを学び実践していくのが良いと思いました。
結局そのSIerは実践する前に辞めてしまったのですが、その後の会社ではアジャイルについて学んだことを実践するようにしています。

その過程で得られたのは、SIerで思い知ったどんなに綺麗なコードを書いても素晴らしい設計をしても、システム開発業務はそれだけでは上手く行かないという事実に対して自分やりたいことでした。
この「それだけでは上手く行かない」の「それだけ」の部分には様々な能力やスキルが含まれています。
それぞれ専門性があるスキルであり、一人が全てを担うのは非常に困難でしょう。
そうであれば自然とそれぞれのスキルを持った個人が集まり協働することになります。
この「個人が集まり協働すること」はチームであり、組織です。

システム開発業務を上手く行かせるためには様々なスキルが必要ですが、
それを束ねるチームや組織に関するスキルを持った人も必要になります。

僕がそれを選んだ理由はFF14の事例である「プロジェクトマネジメントによる改善」に近いからと言うのはありますが、
"つぶし"がきく能力であるというのも大きいです。
個人が集まり協働することを支援できるのであれば、システム開発以外でも使える強力なスキルとなります。
また僕が尊敬するエンジニアもチームや組織に興味を持っている人が多いので、憧れているというのもあると思います。

だから僕はチームや組織を良くしていきたいと思っています。

さいごに

このブログは書くのに非常に苦戦しました。
と言っても3時間くらいで書きましたが、量に対して非常に時間がかかっていますw
(いつもは同じ時間で3倍くらいの文章を書いている)

要因としては普段無意識にやっている/考えていることを言語化する作業だった、
数年前の思考をトレースしていく作業だった、
辺りが挙げられそうです。

特に数年前の思考をトレースしていくのは記憶の中で勝手に改ざんされていたり、
経過を飛ばして結論まで飛んでいったりしていて、文章化すると「まったく伝わらねーな?」という内容になっていました。
この改ざんを直したり、飛んだ間を補完していくのが非常に大変でした。

なぜチームや組織を良くしたいのか?はチームや組織についてアウトプットする最初の一歩として、
ここ1年ほどやりたいやりたいと思っていたことでした。
ここまて時間が経ってしまったのは文章として整理するのは大変だろうなーという思いがあったからですが、
実際にやってみると大変でしたw

一歩目を踏み出したので、ここからはチームや組織に対してやってきたことのアウトプットを増やしていきます。